ご挨拶
ご挨拶
脂溶性ビタミン総合研究委員会は、ビタミンA・D・E・Kをはじめ、コエンザイムQ、必須脂肪酸、ポリフェノールなど、脂溶性の生理活性物質を幅広く扱う総合的な研究会です。大学や企業の研究機関から多彩な研究者が一堂に会し、分野を超えた建設的な議論を交わす場として、380回を超える学術集会を重ねてまいりました。70余年にわたり歩みを続ける、歴史ある研究者の集いです。
本委員会は、「脂溶性生理活性物質の学術研究の発展と知識の普及活動、関連する疾患の予防、診断、治療等に貢献し、もって国民の健康増進に寄与する」ことを目的としています。ビタミン不足や難病の克服は社会にとって重要な課題であり、超高齢社会において健康寿命の延伸が求められる今、本委員会の使命はますます重みを増しています。
近年、脂溶性バイオファクターの研究は、従来の枠組みを大きく超えて広がっています。ビタミンAでは、視覚作用や核内受容体を介した遺伝子転写制御に加え、核外作用(non-genomic作用)が解明され、がん治療や免疫調節への応用研究が加速しています。ビタミンDでは、骨代謝にとどまらず、免疫調節、糖尿病予防、腸内細菌叢との関連など多面的な機能が明らかになりつつあります。ビタミンEではトコトリエノールによる抗肥満、認知症予防、ビタミンKでは血液凝固作用、骨代謝促進、血管石灰化抑制に加えて、フェロトーシス抑制、さらには認知機能維持への関与が示されるなど、ビタミン間の相互作用も含めて研究が深化しています。こうした基礎研究の進展に伴い、独自の分子設計による新規誘導体の創製や創薬基盤の構築が進み、大学・企業から本邦発の医薬品化も実現しています。
委員会での発表は委員およびその紹介者によるものですが、医学、薬学、農学、栄養学、有機合成、分析など幅広い分野から最新の知見が持ち寄られ、建設的な討論やプロジェクトを通じた共同研究も活発に行われています。聴講には事前の登録が必要ですが、企業関係者や学生の方もご参加いただけます。多くの研究者の皆さまのご参加を心よりお待ちしております。
脂溶性ビタミン総合研究委員会
委員長 白川 仁
(東北大学大学院農学研究科 教授)

